出生前診断【現状の日本】課題を知って、命と向き合う

少し前に日本国内のニュースになった出生前診断

妊娠を考えている方には気になる話題ではないでしょうか?

特に、始まって間もない新型出生前診断の現状や課題などは、
よく報道で取り上げられています。

そこで、ここでは

・現状、日本では妊娠初期の出生前診断にはどんな検査があるのか

どんなことが現状の課題なのか

という2点にスポットをあてていきたいと思います。

広い意味では妊婦健診の際に受ける超音波検査も出生前診断に含まれますが、
今回は妊娠初期に受けられる出生前診断に限って考えていきましょう。

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出生前診断にはどんな検査があるの?

出生前診断には大きく分けて4種類の検査があります。

1.新型出生前診断(NIPT)

妊婦の血液中に混ざっている胎児の遺伝子情報から、
染色体異常の可能性を出す検査です。

流産につながる可能性のない検査で、
検出感度は99%と高いのが特徴です。

妊娠10週以降の早い時期に検査できるというメリットもあります。

研究目的という名目のため、実施施設は限られています。

染色体異常以外の形態の異常はわかりません。

2.精密超音波(+初期母体血清マーカー)

精密超音波は超音波で胎児の首のうしろにある
NTと呼ばれる部分を測定したり、
鼻骨の有無や三尖弁の逆流がないかなどを調べます。

この検査ができるのは、日本でも限られた施設のみです。

精密超音波の染色体異常検出率は80%程度です。

また、血液検査をプラスすると精度が上がり、
染色体異常の検出率は93~96%になります。

染色体異常以外の一部の形態異常もわかります。

流産の可能性のない検査で、妊娠11~13週に受けます。

3.トリプルマーカー・クアトロテスト

母体の血液を検査して染色体異常の確率を調べます。

検出率は75%程度で染色体異常以外の形態異常はわかりません。

妊娠15~17週に行います。

4.羊水検査・絨毛検査

羊水検査と絨毛検査は確定診断で、
染色体の本数異常についてはほぼ確実にわかります。

羊水検査は妊娠16~18週に、絨毛検査は妊娠11~13週に行います。

どちらも1/300~1/1600の確率で流産の可能性がありますが、
医師の力量によるところも大きいと言われています。

羊水検査・絨毛検査以外はすべて確定診断ではありませんので、
陽性の場合、確定診断を受ける必要があります。

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日本における出生前診断の現状課題

出生前診断の現状課題としてあげられるものは以下の5点です。

1.妊婦が希望しても医療者から検査は必要ないと断られることがある

2.検査結果が出たあとの判断材料が少ない

3.費用が高額など、ハードルが高い

4.染色体異常以外はわからない検査が多い

5.多様性を認めあえる社会とは言いがたい

日本産婦人科学会は妊婦からの希望がなければ
検査の存在を積極的に知らせる必要はないとしています。

そのため、出生前診断の存在を妊婦に知らせない病院も多くあります。

また、妊婦自身が希望しても、
医療者が渋ったり断ったりすることもあるといいます。

しかし、赤ちゃんを育てるのは両親です。

両親には生まれてくる赤ちゃんのことを知って、
治療方針や今後の選択をする権利と責任があり、
医療者であっても第三者が口を挟むことはできないのではないでしょうか。

次に、出生前診断を受ける場合、結果が出る前に陽性だったら
どうするのかを決めておく必要があります。

結果が出てから悩むのでは、時間が足りないからです。

しかし、そのための情報提供は十分とは言いがたいものです。

染色体異常をもって生まれてきた人が、
どのような人生を送っているのかということを
私たちはほとんど知らずに過ごしています。

検査前には必ず遺伝カウンセリングを受けますが、
実態を知ることなく赤ちゃんの生命に対する重要な選択をすることは
あまりにも難しいと言えます。

次に、費用についてです。

トリプルマーカーテストとクアトロテストは
比較的安価で数万円で受けられますが、
それ以外の検査は10万円前後からと高額です。

特に新型出生前診断は20~30万円かかり、
受けるためには年齢などのいくつかの条件を満たしていないといけません。

さらに、新型出生前診断や精密超音波+母体血清マーカーなどの
精度の高い検査は実施施設が少なく、
予約自体が困難なことも多いのです。

受けたいと思っても受けられない人が多いというのも
課題のひとつと言えます。

また、赤ちゃんの先天的な病気のなかで、
染色体異常はごく一部ですが、
出生前診断では染色体異常以外がわかる可能性があるのは
精密超音波検査のみです。

そして、一番の課題と言えるのは
日本の社会全体が障害を持った人を受け入れる多様性を
十分に持っているとは言いがたいということです。

精度の高い検査の導入と同時に、
障害があっても社会全体で支えるから大丈夫と思えるような
社会を作っていくことが不可欠ではないでしょうか?

最後に

出生前診断の意義は、
胎児のうちに赤ちゃんの病気を見つけることができるという点です。

そこから、万全の体制で出産を迎えるための病院を選んだり、
今後の人生設計を見直すなど、
様々な選択をすることができるからです。

すべての妊婦さんがよりよい選択ができるように、
出生前診断の課題の解決が急がれています。
 
 
*人気記事「赤ちゃんのおひなまき」については、こちらの記事!
 
 

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